コラムColumn

vol.103 チェンソーカービング講習会

2024/7/8

皆様こんにちは。清水園でございます。

本日お伝えして参りますのは、’チェンソーカービング講習会’の内容です。

先日、青森からチェンソーカービングの講師をお招きし、社内で講習会を開いたそうです。チェンソーカービングとは、その名の通り、チェンソーを用いて彫刻を行うことです。代表がチェンソーカービングに興味を持ったきっかけの一つに、庭の木を伐採する際に、伐採した木をそのままゴミとして捨ててしまうことの後ろめたさがあったそうです。そこで、伐採した木々をチェンソーカービングとして何かしらの作品にできれば、施主様にも喜んでもらえるのではないかと考え今回の講習に至りました。

「ただ、こればかりは才能の問題もあるため、私を含め、社員全員、才能がない可能性も想定していました。しかし実際にやってみると、社員全員それなりの形になり、できないこともないのだなということを学びました。」

「最初に講師の先生が、チェンソーを使ったことのない人の方が、先入観がないため上手くできますよと仰ったのですが、確かに、チェンソーを30年使ってきた私よりも、その日初めてチェンソーを使った新入社員の方が上手かったです。」

今回制作した作品は、縁起の良い鳥である「フクロウ」で、代表は、完成するまでにある程度時間がかかるだろうと考えていましたが、講師の先生は15分程で仕上げてしまったそうです。

講習では社員それぞれ制作を始め、まずは丸太を大きなチェンソーで荒削りし、何となくフクロウの形に整えていくそうで、そこまでの工程は難しくはない作業のようです。

そこから、フクロウの羽の模様や目を掘っていく細かい作業になるため、繊細なタッチが必要で非常に難しいようです。通常、普段の業務の中でそのような繊細なチェンソーの使い方はしないため、フクロウの目が大きすぎたり、小さすぎたり、左右対称にならなかったりと、とても難しかったようです。

「先生はチェンソーの先端を、まるでバターを塗るように繊細なタッチで扱っており、チョークでの下書きをせずに、カーブなどの難しい部分も一発で削っていました。」

また、作品の制作には制作者の性格が出るようで、失敗を気にせずに下書きなしでいきなり削り始める大雑把なタイプや、絶対に失敗したくないからと何度も練習してから削り始める石橋を叩いて渡るタイプ等に分かれるようです。

チェンソーカービングで最も重要なことは、切れるチェンソーを使うことで、歯の研ぎ方まで丁寧に教えていただいたそうです。

「今までにチェンソー講習会等は受けてはいましたが、きちんとしたチェンソーの研ぎ方までは知らなかったので、新たな学びになりました。」

「最終的には全員フクロウの形になったので、よかったです。初めての制作でも、ある程度できるので、あとは創作を重ねることが重要だと思います。」

「チェンソーカービングは、直径40cm程度の杉の木とチェンソーが必要になりますが、造園業者は大体チェンソーを持っているので、一般の人よりは始めやすいと思います。ですが、やるかやらないかの第一歩は、環境の問題にあり、今回はたまたま私がやりたいと思ったので会社に講師を招き社内で講習会を開きましたが、これを一社員が自分でやるとなると中々ハードルが高いのだと思います。ただ、やる気があればできないことはないと思いますので、ぜひやってみてもらいたいなという気持ちがあります。」

「これからの造園業は、みんながやってきたことをやっていくことも大事ですが、みんながやらないことをやっていかなければ面白みも遊び心もないので、このような取り組みも大切にしていきたいと考えています。」

この講習を機に、チェンソーカービングを普段の造園業に活かしていくには、今後どれだけ練習を重ねるかが重要になるそうです。

「技術というのはいかに自分の時間を練習に費やしたかということと、創作意欲がないと身につきません。普段の業務内だけでなく、業務外での練習がなければ中々身につくものではありません。丸太がなくても、小さな木の破片で試してみたりと、そういう小さな積み重ねが重要だと思います。」

筆者自身、代表のお話を聞くたびに、仕事に対する姿勢やストイックさ、時間の使い方等、職種は違いますが多くを学ばせていただいています。そして、これらの思考や姿勢、行動は一流と呼ばれる方に共通しているように思います。