vol.125 水路伐採・除草
2025/6/9

皆様こんにちは。清水園でございます。
本日は、普段なかなかお伝えする機会のない「水路伐採・除草作業」について、ご紹介させていただきます。
造園業といえば、一般的には庭園の設計や植栽の手入れといった、いわゆる「お庭の管理」のイメージをお持ちの方が多いかと思います。しかし、実は今回ご紹介するような、雑草や樹木の伐採といった作業も、私たちが承る重要な業務のひとつです。
正直なところ、草刈り作業についてわざわざコラムで皆様にお届けするのはどうかと、最初は少し迷いました。
しかし、改めて現場を振り返ってみると、これがなかなか奥深く、やりがいのある作業であることに気づかされました。そこで今回は、清水園の日常の一コマとして、「草刈り・伐採の現場」の様子を、少し詳しくご紹介したいと思います。
まず、今回ご依頼いただいたのは、川沿いに設置されたブロックとフェンス周辺の刈払・伐採作業です。
川沿いという特殊な立地条件に加え、フェンスやブロック塀が立ち並んで囲まれているため、作業スペースは非常に限られています。草をやみくもに刈ればいいというわけではなく、刈り取った草木を効率よく運び出す方法や、安全に作業を進めるための手順も慎重に考える必要がありました。
作業は、まず草刈機を使用して、比較的細く柔らかい草木をある程度刈り取るところからスタートしました。
草刈機は小回りが利き、作業スピードも速いため、広範囲に生い茂った雑草の処理には最適な道具です。ただし、ある程度太く育ってしまった木の幹や、絡み合った蔓植物などは、草刈機だけでは刈りきれません。そうした頑丈な草木に対しては、チェーンソーを使用して一本一本確実に切り倒し、その後再び草刈機で仕上げていきます。
この「草刈り機とチェーンソーの併用」という作業手順は、現場状況に応じた適切な機材選定と、作業効率を最大化するための重要な工夫です。
特にチェーンソーでの伐採は、たとえ大木ではないとしても、一歩間違えば大事故につながるため、スタッフ間で声を掛け合いながら、安全確認を徹底し、慎重に作業を進めていきました。
伐採が完了したら、次はいよいよ搬出作業です。
今回の現場では、重機(バックホウ)を現地に直接乗り入れることができなかったため、クレーンのブームが届く範囲まで、切り倒した草木を、法面の上を人力で運ぶ必要がありました。この工程がまた、なかなか骨の折れる作業です。
草木は、そのままではバラバラになって運びにくいため、「もっこ」と呼ばれる大型の風呂敷のような専用布にまとめて乗せていきます。
一抱え以上もある枝や幹を、手際よくまとめていく作業は、単純なようでいて、実はコツと根気がいります。重心のバランスを考えながら乗せないと、吊り上げた際にモッコがバランスを崩してひっくり返って荷物が落ちてしまうからです。
こうしてモッコに乗せられた草木の束は、約300kgにもなります。
それをクレーンで吊り上げ、駐車場に待機させたダンプカーの荷台に積み込んでいきます。もしこれをすべて人力だけで運ぼうとすれば、膨大な時間と労力が必要となり、作業員の体への負担も計り知れません。
適材適所で機械の力をできる限り借りることが、効率的で安全な作業には不可欠なのです。
作業がすべて完了すると、現場の様子は一変します。
もさもさと生い茂っていた雑草や樹木がすっかり刈り取られ、すっきりとした見通しのよい景観へと生まれ変わります。その変化たるや、まさに「なんということでしょう!」と、思わず感嘆の声を上げたくなるほどです。
庭づくりとはまた違った、この達成感。
力を合わせてひとつひとつ草木を刈り、まとめ、運び出し、きれいに整えた後の清々しさは、刈払い作業ならではの魅力だと感じています。
私たち清水園では、庭園の設計・施工だけでなく、こうした水路や川沿いの伐採・除草作業も、数多く手がけております。
場所や状況に応じて、最適な道具と方法を選び、安全第一で作業にあたっています。
普段なかなか表に出ることのない作業ですが、こうした一つひとつの積み重ねが、美しい景観や安全な環境づくりにつながっていると、私たちは信じています。
今後もまた、普段の業務のなかで見つけた「ちょっとおもしろいこと」や、「皆様にぜひ知っていただきたいこと」があれば、こうしてご紹介していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









