vol.141 令和7年仙台門松【後編】
2026/5/4

ー 受け継がれる技術と、未来へ残したい文化 ー
円通院での設置作業中には地元の方や観光客で自然と人だかりができ、住職が挨拶をされた際には、集まった方々から一斉に拍手が起こりました。また、事務員の方が「これが仙台門松ですよ」と説明しているのを聞き、仙台門松という名称も少しずつ浸透してきているのだと感じました。
仙台門松は、誰でも簡単に作れるものではありません。実際、作り手は年々少なくなっています。伝統や文化は、担い手がいなくなれば失われてしまいます。本来であれば、技術を持つ者がそれを次の世代へ残していくべきですが、「覚えてもお金にならない」「必要とされない」と感じられてしまうと、技術は受け継がれません。
特にしめ縄づくりは、習得してもそれだけでは仕事にならず、他にも多くの技術を身につけなければならない造園業の中では、どうしても後回しにされがちで、結果として覚えられないままになってしまうのが現状です。
仙台門松の仕事をしていて常に感じるのは、作り手には作り手なりの強い想いがある一方で、依頼される側にも同じように強い想いがあるということです。会社としては決して利益につながりやすい仕事ではありませんが、それでも文化的な意義があるからこそ、残していきたいと考えています。
令和7年の門松づくりを振り返ると、天候や日程、設置条件など、決して楽な年ではありませんでした。しかし、その一つひとつを乗り越えながら、今年も無事に門松を立てることができたことに、大きな意味を感じています。
門松は、単なる正月飾りではなく、地域の文化や歴史、人の想いが形になったものです。その背景には、材料探しから山の管理、細かな下準備、そして現地での緊張感ある作業まで、多くの工程と時間と技術が積み重なっています。利益だけを考えれば、続けることが難しい仕事かもしれません。それでも「残したい」「絶やしてはいけない」と思う気持ちがあるからこそ、続いてきたのが門松づくりなのだと思います。
これから先も、簡単ではない道ではありますが、門松という文化を次の世代につなげていくために、できることを一つひとつ積み重ねていきたいと、改めて感じた年でもありました。
