コラムColumn

vol.101 仙台門松取材及び仙台門松講習会

2024/6/10

皆様こんにちは。清水園でございます。

本日お伝えして参りますのは「仙台門松取材及び仙台門松講習会」について。

代表は、5年ほど前から仙台門松を制作しており、ここ2年程はメディア露出が増加してきたとのこと。今年は、仙台市役所でも門松が飾られ、N H Kで代表が制作した門松が放送されたり、「リラク」という仙台の情報誌からも仙台門松の取材を受け、その内容が掲載されました。事務所で囲み取材を受けることもありました。ただ、代表は普段、現場で仕事をしていることが多いので、取材の電話対応ができず、何件か取材のお話が流れてしまうこともあったそうです。

このような経緯もあり、仙台では仙台門松が一般化してきており、仙台の方々が仙台門松に興味・関心を持つようになってきたと、代表自身も実感されているようです。

当コラム執筆時点では、仙台市内には23基の仙台門松が飾られていますが、制作できる造園業者が少なく、当社で作れる数も限られるので、お断りすることも多々あるそうです。そうした経緯から、代表を講師として、仙台門松についての講習会を開くことになり、市内の造園業社40名が参加されました。

「業界では、意外に若い方たちも門松に興味があり、制作したいと思っていること、また、仙台門松を制作してほしいというお客様からの依頼もしばしばあることを実感しました。」

「しかし、制作したこともなければ制作方法も分からず、本物を見ただけでは制作できないので、仙台市博物館の関係者の方たちと一緒に、1日間みっちりと講習会を開かせていただきました。皆さん興味津々で聞いてくれました。」

午前中は座学で歴史と代表の5年間で体験した成功談や失敗談、今後の改善点などの説明をされたそうです。

「朝早く来て、ある程度制作しておいたものを用い、午後の終わりにはそれを完成させ、作り方と完成状態を見てもらいました。」

また、門松の土台2種類を紹介。正式な土台(手前側)は、非常に時間と手間がかかり、代表以外につくれる造園業社はいないそうです。もう一方(奥側)は、仙台市役所とウェスティンホテルでも用いているもので、1本90cmのものを計6本使うため、直径約40cm~50cmの傷のついていない部分を約6m使用します。それを得るには大体2本の木を伐採しなければならないそうです。それが2組なので、計4本の伐採が必要になります。

材料の一つである松の木を見つけてくることも大変で、樹木として1本購入すると4万円程度で竹は1万円くらい。材料を揃えるだけで、かなりの費用がかかります。

実際、門松を土台からしめ縄まで制作できるのは、市内で6業社が制作しているうち、代表を含め2名のみ。材料を調達できる人も2社のみです。

「できれば、多くの業者がしめ縄をつくれるようになってほしい。門松を制作する上で一番の難所はしめ縄を綯うこと。年配の世代がいなくなれば、しめ縄を綯うことができる職人がいなくなってしまうので、できれば若い世代の職人が早くしめ縄を綯えるようになってくれれば、技術がなくならずにすむのかなと思っています。」

「通常業務を終えてから、しめ縄や新しい技術習得に向けての練習をすることは中々大変ですが、技術というのは、仕事がきた際にすぐに出来る状態で準備しておかなければなりません。」

代表自身、45歳から門松の制作を始めたそうですが、驚くことに、1度で作り方を習得したそうです。

「結局は、何かの技術が突然できるようになる訳ではなく、今まで行ってきたことの積み重ねが複合して、あれとこれを組み合わせればできるといったように習得できるものなのです。」

代表は50歳になった今も、様々な技術を習得したいという思いがあり、現在はボルダリングやツリークライミング、チェンソーアートなどの講習会を会社で開催しているそうです。ツリークライミングは、装備だけでも通常20万円〜30万円の費用がかかるそうですが、清水園では様々な学びの機会が提供されています。

「仙台門松や石積み等、制作できる職人が限られている中で、若い世代がそれらの仕事を勝ち取っていくには技術を身につけてチャンスを掴むしかない。できる人が少ないということは売り手市場で、技術を身につけて「やれます」と言えればチャンスはいくらでもある。若い方たちがそれに気づき、技術を身につけ、次の世代へ継承してもらうことが講師としての私の願いです。」

最後に講師や参加者全員で記念写真を撮影し、講習会は終了しました。