vol.119 令和6年仙台門松【後編】
2025/3/3

皆様こんにちは。清水園でございます。
本日お伝えして参りますのは、’令和6年仙台門松(後編)’についての内容です。
仙台門松の松を調達するため山に入り始めて6年が経ちますが、適度に伐採することが新たな松の木を育てることにつながります。松を伸ばしっぱなしにするのではなく、適度に伐採することで、陽が差し込むスペースが生まれ、自然と新しい松が生える環境が整います。
「門松を制作するようになってから気づいたことがあります。清水園では昨年から半被を着るようになったのですが、みなさん半被が好きなようで、仙台うみの杜水族館の社長とウェスティンの担当者と清水園の半被を着て、また鐘崎の社長はマイ半被を着て朱入れを行いました。神授の際は通常、上着を脱ぐことが一般的ですが、半被は正式な衣装であるため脱ぐ必要がないそうです。」
「仙台門松の制作も6年目を迎え、毎年苦労しながらも制作を続けてきました。しかし、同じことを繰り返すだけでは面白みに欠けるため、毎年変化を加えつつ制作しています。ただ、仙台門松の基本的な形は当然守るべきもので、その範囲内で工夫を凝らしています。」
「文化とは時代とともに変化していくものです。門松もまた、時代背景に合わせた制作が求められます。昔は一般的だった材料が手に入りにくくなる一方、新しい材料が登場することもあります。藁もその一例で、農業の効率化により藁の入手が難しくなりました。昔は藁を材料として使うことが一般的でしたので、藁を干して二次製品として使っていましたが、現在では代替品がでてきたので、藁を仕事や材料として使う文化がなくなってきており、文化の伝承ができなくなってきている現実があります。」
「技術が存続するために何が一番重要かというと、お客さんが高いレベルでの制作を認めてくださるか否かだと思います。費用が高くなるならやらなくていい、と言われてしまえば、それまでです。」
「有り難いことに、清水園のお客さんは費用が上がっても高いレベルでの制作を求めてくださる方ばかりです。そのおかげで技術の伝承が途絶えることなく続いています。しかし、自由に制作させていただける環境は稀であり、日本全体で見たとき、文化の伝承は大きな課題であると感じています。毎年、門松制作を通じて文化や技術を伝えていく大切さを痛感しています。これからも清水園一同、伝統を守りつつ新たな挑戦を続けて参ります。」