コラムColumn

vol.133 剪定作り替え2【前編】

2025/11/24

[前編] 剪定作り替えの現場から

皆様こんにちは。清水園でございます。
今回のコラムでは、「剪定作り替え」についてご報告いたします。

もともと別の植木屋さんが管理していたものの、刈り込みばかりで木が大きくなりすぎてしまい、手に負えなくなり清水園にご依頼いただくケースがあります。今回もその一例でした。剪定前の写真をご覧いただくと、木の奥がまったく見えないほど木が茂っているのが分かると思います。奥にはモミの木がありましたが、届く範囲だけを刈ることで丸く膨らみ、切った所から枝がさらに生えてモシャモシャになり、不自然な姿になっていました。そこで「すっきりと整理したい」とのご相談をいただいたのです。

木は放っておくと自然に陽の当たる方に芽が出て成長します。しかし管理を怠ると、後から生えた枝がさらに外側に伸び、庭の広さは変わらないのに木だけが大きくなり、結果として庭が狭く見えてしまうことが多々あります。

次に生垣の事例です。もともと四角い形をしていましたが、刈り込みだけを繰り返した結果、枝がだんだん長く伸びて重みで垂れ下がっていました。幅はおよそ2mにまで広がっていましたが、枝を抜いて軽くすると枝が持ち上がり、幅も自然に狭まります。

特にヒバは、葉のある部分までしか刈り込みができません。そのため表面だけを刈り込むと、徐々に刈る位置が外側へ移り、枝が垂れ下がって内側に陽が当たらなくなり、やがて内側の枝が枯れてしまいます。残念ながら多くの植木屋さんは電動トリマーや刈り込み鋏で表面だけを整えて作業を終えることが多いのが現状です。木は葉が多いほど光合成が盛んになり、栄養を蓄えて勢いよく成長します。大きくなりすぎないようにするには、あえて葉や枝をある程度減らし、「生きるのが精一杯」という状態にする剪定が重要です。木の向こう側が透けて見えるほどに剪定すると、中まで陽が当たり、そこから新たな葉が芽吹きます。内側から生えて来た枝に更新することで木を小さく保つことができるのです。剪定前後を比べても高さ自体は変わっていませんが、全体がすっきりと見えるようになります。



着工前
着工前
着工前
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完了
完了
完了
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作業状況
着工前
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完了
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