コラムColumn

vol.17 初めての造園感謝祭

2021/7/6

皆様こんにちは。清水園でございます。 本日は、少し時が遡り…平成18年に初めて代表が参加した「第30回造園感謝祭」についてお話させていただきます。

誰もが‘お伊勢さん’と慣れ親しむ、三重県伊勢市にある神社’伊勢神宮’。そこでは毎年、造園協会による’造園感謝祭’が催され、数県合同もしくは単独県での当番(庭木の手入れや献木)が行われるとの事。

平成18年は全国青年部の創立が25周年ということもあり、青年部主催で伊勢神宮にアカマツを献木することとなったそうです。

「当時私は’宮城県造園協会 青年部’へ入部し間もなかった頃。そういった事が名誉か何かも分からずに参加しておりましたが…二泊三日、思い出深い行事となりました。」

初日、代表は外宮へ訪れました。外宮には、数年前に宮城県造園協会が植樹したチャボヒバが三本あり、その後ろにはなぜか今まで手入れされていなかったアカマツがあったとのこと。

代表は初めての参加ということもあり、そのアカマツの手入れを担当することになったそう。

「実はここから青年部を卒業するまでの15年間、不参加の年もあったもののこのアカマツの剪定は基本的に私が担当することになりました。関係者からは’守屋の松’と呼ばれていたのも、良い思い出です。」

来訪初日にそんなアカマツとのご縁があり、二日目。

今度は内宮へ移動して他の木々の剪定を行ったとのこと。また、最終日は感謝祭当日ということもあり’献木の練習’を行ったとのこと。

「お祭りでお神輿を担ぐようなイメージで松を担ぎ、宇治橋を渡り神楽殿まで運びます。約16人で担ぐのですが…実は材木だけで100キロ、木を含めると250〜300キロもの重さです。いくら成人男性16人がかりとはいえ相当なものです。道も平坦ではなく高低差がありますから、実際の数字以上に重たく感じられます。」

さらに、宇治橋では交代が出来ないため必ず一回で渡れとのお達し…美しく弧を描く宇治橋も、この時ばかりは難所だったと語ります。

「また、やはり意志の強い造園家の集まりですから…みんな「重たい・変わってくれ」は絶対に言わないですし、言えるような状況でもなかったのがまた良い思い出です。

橋の欄干側に寄ってきたりするとそれはそれは恐ろしかったですが…二・三回のメンバーチェンジをしながら、なんとか運びきったときの達成感はひとしおでした。」

そして、この伊勢神宮来訪をきっかけに代表は神様を大事に思うようになったとのこと。やはり伊勢神宮のもつ空気は独特の神聖な空気があり、身の正される思いになるそうで。

「中でも、内宮の本殿角にある一つ10トンはあると思われる石積みの角石は…特筆すべきものがあります。

作為的ではないのに下の石と上の石の相対的な関係が、セオリーを無視しても余りある魅力を持ち、伊勢神宮の雰囲気に合う神々しさをまとっていました。私の思う日本で一番格好良いと感じている角石です。」

国家の総鎮守から深遠なエネルギーを受け取る事のできた感謝祭だったようです。皆様も’お伊勢さん’へ訪れた際は、ぜひ石積みとご神木の数々…注目して頂けますと幸いです。