vol.134 推し活【前編】
2025/12/23
皆様こんにちは。清水園でございます。
今回のコラムでは、少しいつもと違ったテーマでお話ししたいと思います。
それは「推し活」についてです。
「推し活」と聞くと、皆さんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか。
好きなアーティストのライブに行ったり、アイドルや俳優を応援したり、グッズを集めたりといったイメージが一般的かもしれません。ですが、私にとっての「推し活」は、もう少し違った形で始まりました。
昨年の11月頃のことです。ひょんなご縁から「相原道場」の会長と知り合う機会がありました。最初は道場とは関係のない、別の仕事を通じて協力関係を築くことになったのですが、その時に清水園として非常に助けていただく場面がありました。言うなれば、清水園の危機を救っていただいたような出来事で、そのご恩は今でも忘れられません。
その後、改めて会長のお話を伺う中で、相原道場がテコンドーの道場であることを知りました。そして、会長が指導している選手の中に、岡崎陽向(おかざき・ひなた)選手という方がいることを教えてもらいました。
岡崎選手は、仙台市出身のテコンドー選手で、なんと世界ランキング1位という輝かしい実績を持つトップアスリートです。まだ若干十代の頃から世界の舞台で戦っており、その活躍はまさに「日本の誇り」と言っても過言ではありません。
岡崎選手は小学校4年生のときに親元を離れ、相原道場に下宿しながら日々練習に励んでいるそうです。その決断の早さと覚悟の強さに、まず心を打たれました。幼い年齢で家を離れ、夢に向かって努力を続けるというのは、想像以上に大きな勇気と覚悟が必要なことだと思います。
会長からその話を伺っているうちに、私自身、造園というまったく別の分野ながらも「一流とは何か」「どうすればその高みを維持できるのか」という点に強い興味を持ちました。そこで会長に、岡崎選手の練習方法や日常について色々と尋ねてみたのです。
その中で印象的だったのは、「一流の選手は怪我をしない」という言葉でした。もちろん、人よりも何倍も練習しているので、多少の怪我はあるそうです。しかし、致命傷にならないように、自分の体を常に把握し、限界を見極める力を持っているというのです。体のケア、心のコントロール、そして日々の積み重ね。その全てが「一流」たる所以なのだと感じました。
また、岡崎選手は1日に約5時間の練習を行い、年間でおよそ360日も道場に立ち続けているそうです。つまり、ほとんど休みがないのです。そのストイックさは想像を絶します。まさに「好きだからこそ続けられる世界」なのでしょう。
そんな選手が、同じ仙台という地で日々努力を重ねていると知ったとき、なんだか胸が熱くなりました。「世界一」を目指して歩む若者が、こんなに身近にいるとは。まさに夢のある話です。


