コラムColumn

vol.36 フラワーガーデニングショー

2022/2/15

皆さまこんにちは。清水園でございます。

本日お話しいたしますのは、当コラムでも度々お話ししておりますカリスマ造園家’御手洗さん’との思い出にまつわる一件でございます。

御手洗さんといえば、幼少期を山中で永く過ごされたご経験から’自然の原風景をそのまま切り取って持ってきた’かのような、遊び心満載のお庭を作る達人。

弊社代表も大変影響を受けただけでなく、そのお人柄にも敬意を表しておりました。代表曰く「宮城から大分まで飛行機で5時間かかりますが、10年間の間で御手洗さんにはよく会いに行きました…近くにいる人に会わなくても、御手洗さんが手掛けられたお仕事を見るとあらば全国各地を訪れていましたね。」

今回お話しする「フラワーガーデニングショー」もまた、御手洗さんが出展されるとの事で出向かれたそう。2010年に開催された第一回大会は、東京・国営昭和記念公園みどりの文化ゾーンを舞台に、大小含め40スペースほどの庭が作られたのだそう。

「区画もかなり広いだけでなく、御手洗さんはじめここまで技能者が揃うことは珍しい…というほどのビックイベントでした。ガーデニングショーが開催される前、別件で御手洗さんにはお目にかかっていたのですが、その時の御手洗さんの気合いの入れようといったら…’あの庭を見たら腰を抜かすぞ!’と仰るくらいでしたから。これは必見だぞ、と。」

その意気込み通り…なんと御手洗さん、大分で本番用の庭を作成しトレーラー3台で東京まで持って来られたとのこと!自宅で何度も試作を重ねるなど…お話を伺いながら驚きが隠せませんでした。

「それは素晴らしい、御手洗さんらしさ満載の庭でした…御手洗さんといえば水を流すのが得意ですから、滝があり川があり池があり…そしてそれを見て休む東屋がある。飛石に続く通路も、ただのコンクリートではなく山砂とセメントを混ぜて叩き上げ風に作られています。’こういう景色、あるよね’と鑑賞者に思われるポイントを至る所に散りばめています。東屋には蓑(みの)や笠、椎茸の原木が植わっていたり、皮付きの柱など…大工さんの作るものとは全く違います。」

ただ、非常に残念なことに…「フラワーガーデニングショー」ではその名の通り花の庭というコンセプトでしたが、御手洗さんの庭にはあまり花が植わっておらず、やむなく3等賞だったとの事。

その他にも、前衛的な庭から伝統的な庭までさまざま…中でも、近江庭園さんの山取りの松を多用し城積みをアクセントに組み合わせた庭や、苔で山をそのまま再現したグリーンプラン厚澤さん、擬石・塗りの達人とされる坂本造園さんの石積み風にコンクリートを塗りクレーンで持ってきたとされる庭など、印象的な作品が多く見られます。

「ちょうど、御手洗さんとお会いして3〜4年ほど経った頃でした。庭に対する考え方も随分と変わり、色々な庭があっていいと思えるようになっていました。

もちろん好き嫌いはありますが、庭という枠ではあるものの自分にない発想の作品との衝撃的な出会いや発見などがありました。

世間を知ることは大事ですし、様々な庭を見ないと自分の世界も広がらないな…と感じます。また、革新的なものは時代と共に変わっていきますから、常に学びの姿勢を持ちながら仕事にも取り組みたい次第です。」



有限会社御手洗造園 ショーガーデン ブロンズメダル

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