vol.67 棚製作
2023/2/28
皆様こんにちは。清水園でございます。
かねてからお伝えしております弊社の火災及びその後の復興につきまして、本日は代表の車庫の空きスペースでの「棚製作」についてお伝えして参りたいと存じます。
火災以前、筆者は代表とのお打ち合わせを通してそのお人柄を初めお仕事に対する意識の高さ、特に道具の整理整頓に関してはとても徹底されているなと感心していた次第です。
代表自身も「綺麗好き・整理整頓が大好き」と自負しているだけあり、外の現場から社内にいる社員へ電話で指示する際も、道具の位置など完璧に把握している…という逸話は今でも印象に残っております。
しかしながら火災ともなれば全て燃え尽きてしまい道具もない・置くところもない…といった状況は不可避だったとの事。とはいえ現場に出るための必要最低限の道具もきちんと買い揃えておきたい…そんな想いから、ご自宅の車庫の空きスペースに棚を作られるに至ったそうです。
「火災が発生したのが3月、その翌月には新入社員が2名入社しましたので…社員教育も兼ねて、私が書いた図面を元に彼らに収納棚を作ってもらうことにしました。」
棚は、スコップなど長物をそのまま収納できるようにするなど代表自身「使いやすいように」と設計されたとの事。資材は、現場で使用した古いコンパネをサンダーで磨き再利用しています。
「社員には、定規や墨壺(直線を引く際に用いる道具)といった小さなものから、サンダーや丸鋸・インパクトドライバーといった電動工具まで、使い方を教えてあげてからつきっきりで製作に取り組んでもらいました。
この春まで大学生でそんな道具類とは無縁だった彼らも、使い方を教えてあげると少しずつでも出来るようになっていくものです。」
指導の際代表が留意していたのは「真っ直ぐに切れなくても良いから、怪我をしないようにやれ。便利な道具は危ないのを理解してから使え。」と60〜80%の仕上がりを本人達が是認出来るようにしたとの事。
「我々は大工ではないので、決して綺麗に作る必要はないんです。80%から100%の残り20%は大工の本領、植木屋は物を置いて壊れなければそれで良い。
ここで彼らの成長にとって必要なのは、今後何かに取り組むにあたって‘作業量やアイディアが思い浮かび実行できるようになる’ということ。経験と道具を使える技術があれば‘何が作れる・何が出来る’というのは、彼らのかけがえのない財産になりますからね。」
教育は各所でいかに積み込ませるか…お話を伺いながらこちらも勉強になります。
「また、今回は‘既にある材料で作らなければならない’という制約付きでもございました。例えば…80cmのコンパネだと棚の仕上がりを幅40cmにすれば、等分して余す事なく材料を使うことができます。
と申しますのも…これは今回に限らず、造園に関する材料というのは一つ集めるにも出回る量が少なかったり、練習するのもやっとなものが増えてきているのですね。
藁や竹などは際たる例です。こういった棚製作は道具の使い方を覚えるのにもそうですが、こういった‘限られた材料を無駄にしない作り方を考える’という思考の構築にも打ってつけです。」
棚は丸三日かけ無事完成を遂げたそう。社員の今後の成長も益々楽しみになります。