現場は、東北福祉大学の寮の敷地内。その年は新しい寮が一棟増築されるとの事で、玄関前となる場所に庭石を移設する運びとなったそうです。「私が経験した現場の中でも‘最も大きな庭石移設’でございました。高さ2メートル・幅3メートル、その重さ25トンもの巨大な庭石です。トラック・クレーン・ワイヤー…全てを完全な状態で整えておかなければ絶対に動かすことはできません。」
庭石は、鮫川石という福島県で採れる石で三代名石のうちの一つ。その大きさと存在感はもちろんのこと、鮫川石特有の青さや、雨に濡れると艶やかでとても美しい表情を見せてくれます。「やはり象徴的な石ですから…こういった形で日の目を見るのは造園家としても喜ばしい限りです。移設後は看板を石にはめるとのことで、サンダーを使用して石を掘り進め、2人がかりで3日かけ掘り上げました。色々な意味で貴重で思い出深い現場でしたね。」

建物建設のため庭石の移設工事です。植栽奥に建物が新築されます。

新しい建物の玄関前に設置された後植栽し後は看板屋さんがプレートを取り付け終了です。

樹木を移植した後、石積みを解体し、運搬していきます。

設置されているときは解らないのですが、外してみると大きな石もあります。とは言え私が持ってきて積んだ石なのですが また使える日を待ちます。


設置場所が出来ましたので、60tクレーンで庭石を移動します。ちなみに重量は25t程あります。


庭石の設置場所になります。建物はまだですが、玄関前に設置されたのを想像しながら 設置していきます。

最初にワイヤーを設置するため、 一度持ち上げてワイヤーを設置します。この石を吊るワイヤーも 当然それなりの重量のワイヤーになります。

天端のバランスを想像しながら、 ワイヤーをかけていきます。

吊りあがりました。

設置場所に慎重に高さや角度など確認しながら、いろんな角度より眺めて決定していきます。建物がないのですが、また動かすとなると大ごとになるので、 想像力が大事です。



サンダーで枠と深さを見ながら 慎重に掘り進んで行きます。掘りすぎたり曲がったりすると修正が出来ないので、あくまで早く慎重に確認しながら進んで行きます。

建物が完成に近づき 玄関の看板を取り付けるくぼみを掘っていきます。何かすごい道具で掘ると思われますが、普通よりチョット大きなサンダーとのみで掘っていきます。

掘り終わりました。深さ約20cm幅120cm高さ60cm掘るのに2人で3日かかりました。地味ですが大変な作業です。下場は見えるところですので最後に磨きもかけました。