現場は、東北福祉大学の寮の敷地内。その年は新しい寮が一棟増築されるとの事で、玄関前となる場所に庭石を移設する運びとなったそうです。「私が経験した現場の中でも‘最も大きな庭石移設’でございました。高さ2メートル・幅3メートル、その重さ25トンもの巨大な庭石です。トラック・クレーン・ワイヤー…全てを完全な状態で整えておかなければ絶対に動かすことはできません。」
庭石は、鮫川石という福島県で採れる石で三代名石のうちの一つ。その大きさと存在感はもちろんのこと、鮫川石特有の青さや、雨に濡れると艶やかでとても美しい表情を見せてくれます。「やはり象徴的な石ですから…こういった形で日の目を見るのは造園家としても喜ばしい限りです。移設後は看板を石にはめるとのことで、サンダーを使用して石を掘り進め、2人がかりで3日かけ掘り上げました。色々な意味で貴重で思い出深い現場でしたね。」