vol.126 神様について【前編】
2025/6/23

―前編― 倒れた御神木が教えてくれたこと
皆様こんにちは。清水園でございます。
今回のコラムでは、「神様について」をテーマに、私たちが関わらせていただいた志賀神社での出来事を通して感じたことを綴らせていただきます。
春先のある日、仙台市宮城野区鶴ヶ谷東に鎮座する志賀神社で、思いがけない出来事が起こりました。神社の境内にそびえ立つ樹齢600年のイチイの御神木が、強風により倒れてしまったのです。さらに、その倒れた大樹の先には桜の木が2本あり、不運にも巻き添えとなってしまいました。
清水園の代表がその知らせを聞いてすぐに現地に駆けつけた時、目にしたのは、長い時を生きてきた大木が横たわる、まるで時が止まったような光景でした。
この御神木は仙台市による保存樹木に指定されており、私たちのような造園業者が勝手に手を加えることはできません。しかし、倒木が境内の安全を脅かすこともあり、最終的には行政の判断で町内会より依頼され、清水園が伐採を担当することとなりました。伐採は4月半ばに無事完了しました。
造園屋としても、樹齢600年の木に手をかける機会など滅多にありません。現場に立った瞬間、ただの「作業」では済まされない、神聖な空気に包まれました。あらためてこの木に対して敬意を表し、ご祈祷をお願いしたうえで作業を進めさせていただきました。
この出来事をきっかけに、私たちは志賀神社で祀られている神様についても調べてみました。実は、清水園の代表の父はかつて町内会長を務めた経験もあり、地域の郷土史である『岩切村史』を所有しています。そこには志賀神社が明治42年に制定され、主祭神として、大多羅比古忍男武雄心命(おおたらひこおしろわけるのみこと)が祀られていると記されていました。
また、もう一柱の神様として、第12代景行天皇も神格化されてお祀りされているとのことです。神社における信仰の深さ、そして地域と共に歩んできた歴史の一端を感じ、自然と背筋が伸びるような思いがしました。
そして何より代表が驚いたのは、倒れた御神木が他のどの部分にも一切被害を与えなかったということです。お社も、御石も、榊も、すぐそばにありながら無事だったのです。その姿はまるで、「神様がこの場所を選んで横たわったのではないか」と思えるような光景でした。









